腎臓がんとは
腎臓がんは、中年以降に多く見られるがんです。腎臓がんを初期段階で見つけるのは難しく、半数以上が、健康診断を受けたときや、他の病気の検査をしたときなどに、偶然発見されています。
腎臓がんの症状としては、血尿、腎臓部のしこりと痛みの三つが代表的なものとして知られていますが、これらの症状がすべて現われたときにはもう手遅れ――ということも少なくありません。
ですから、血尿を見たら、「疲れがたまっているんだろう」などと軽く考えてすませるのではなく、一度専門医の診察を受けた方がよいでしょう。
腎臓がんの診断は、腹部エコー、CT、MRI、血管造影などの画像診断を組み合わせて行なわれます。
より鮮明な血管像、組織像を得るために、 造影剤の注射を同時に行うこともあります。
腎臓がんが発見されると、CT、胸部X線撮影、骨シンチなどの検査が行なわれ、他の臓器に転移がないかの確認が行なわれます。
腎臓がんの治療
腎臓がんの治療は、転移の可能性がある限り、腎臓を全部摘出する手術を行なうのが一般的です。
腎臓は一つ残っていれば腎機能に支障はなく、摘出しても体に大きなダメージは残りません。
最近では、腎臓全体を摘出するのではなく、がんとその周辺のみを部分的に切除する手術も行なわれていますが、これは初期のがんに限られます。
なお、抗がん剤や放射線治療は、腎臓がんに対してはあまり有効ではありません。
ところで現在、腎臓がんの新しい治療法として“凍結療法”と呼ばれるものが注目されています。
これは、腹部に小さな穴を開けて針を刺し、針先を超低温にすることでがん細胞を凍結させて殺すという治療法です。
凍結療法は、腎臓がんだけではなく、肝臓がんや乳がんなどにも用いられています。
腎臓がんの予防
腎臓がんは、早期発見がなかなか難しく、症状が出て発見されたときには手遅れだったということも少なくないので、できるだけ予防を心がけたいものです。
腎臓がんの予防のためには、一般的ながんの予防策(禁煙・適量の飲酒・食生活の改善・ストレスをためない・適度な運動など)に加えて、腎臓に負担をかけないよう心がけることが大切です。具体的には、以下の例があります。
(1)高血圧は腎臓を悪化させるので、高血圧の人はしっかり治療を受ける。
(2)鎮痛解熱薬は腎臓に負担をかけるので、継続して服用する際は注意する。
(3)透析を受けている人は、一般の人よりも腎臓がんになりやすい(10~40倍)ので、糖尿病の人などはしっかり治療を受けて、透析に進まないようにする。
腎臓がんの予防、皆さんもできることから始めてみませんか?
腎臓がんの特殊性
癌は通常、治療後に再発することなく5年が経過すると「完治」とされます(ただし乳癌の場合は10年)。しかし腎臓がんの場合は、治療後20年も経って転移・再発する例もあり、なかなか完治が認められないという意味では、実に特殊な癌です。
腎臓がんは早期発見が難しい上、こうした特殊な性質があるため、腎臓がんの治療はなかなか難しいもののようで、治療に携わる医師も頭を悩ませています。
腎臓がんから身を守るには、やはり腎臓がんにならないことが一番! 日頃の生活の中で腎臓がんの予防を心がけながら、並行して定期検診を受けることが望ましいでしょう。